クロス取引って言葉を聞いたことがあるんだけど、どんな取引なの?
クロス取引は、株主優待をお得にもらえる取引だよ!
クロス取引を活用することで、少ない手数料で株主優待をゲットすることが出来ます。
しかし、取引の内容を理解しないで行うと、数万円の手数料を払う可能性も出てきます。
本記事では、初心者向けにクロス取引について丁寧に解説しています。
- クロス取引に興味があるけど、どんな取引か分からない方
- 損をせずに株主優待をゲットしたい方
本記事を参考に、クロス取引の勉強をして頂けたら幸いです。
クロス取引を理解する前に株主優待を理解しよう
そもそも株主優待って何?
株主優待とは、株を購入した投資家へ送るプレゼントです。
株主優待の内容は、自社商品、食事券やクオカードなど様々なものがあります。
- 楽しみながら、投資を継続できる
- 税金が非課税となる
- 自社商品を通じて、その会社の良さを見つけられる
投資は継続が大事だから、株主優待を通じて楽しく投資ができるね!
株主優待ってどうやってもらうの?
一般的に、株主優待をもらうには、会社の株を100株以上保有する必要があります。
しかし、ただ100株持っているだけで、株主優待は貰えません。
株主優待を貰うためには、決算日の2日前までに株を保有している必要があります。
- 権利付最終日(この日までに株を保有)
- 権利落ち日(株を売ってもオッケー)
- 権利確定日(決算日)
この、権利付最終日の15時までに取引をするようにしましょう。
株価は権利落ち日後に下がってしまう
じゃあ、権利付最終日前に買って、権利落ち日で売ればお得に株主優待だけ貰えるじゃん!
しかし、これでは損をしてしまいます。
私の経験をお話します。
私は、昔トリドール(丸亀製麺)の優待がほしくて、上記の方のような取引をしました。
その結果、最終的に3万円の損失をしてしまいました。
基本的に、権利落ち日以降は売る人が多くなり、株価が下がる傾向にあります。
したがって、直前に買って、直後に売る作業はオススメしません。
クロス取引は権利落ち日後の値下がりを打ち消すことができる
じゃあ、株主優待をもらうには、やっぱ株を持ち続けるしかないの?
そんなときに使えるのが、クロス取引です。
クロス取引とは、株の値下がりリスクをめちゃくちゃ下げてくれる取引です。
クロス取引は、次に3STEPで行われます。
証券口座から株を借りて、売る作業です。借りているので、借りている日数×手数料がかかります。
通常の株を購入する作業です。これは、後日返却するための株を購入です。
借りた株を返す作業です。この操作を行わないと、ずっと手数料が取られてしまいます。
クロス取引は、信用取引の信用売りと株の購入を同時に行います。
この信用取引は、株価と逆の値動きをします。
株価が上がれば、信用取引の価格は下がります。
一方、株価が下がれば、信用取引の価格は上がります。
この特徴を利用することで、少しの手数料を払うだけで、株価の損失を信用取引の値上がりで相殺が可能なのです。
次に、なぜ信用取引は株価と逆の値動きになるかを解説していくよ!
クロス取引で信用売りをした場合、利益が出る理由を解説
信用取引には、信用買いと信用売りの2種類があります。
クロス取引では信用売りを使うので、信用売りのみ説明します。
信用売りについて解説
信用売りとは、証券会社から株を借りて、売ることです。
例えば、100円の株があったとします。
信用売りをすると、100円の株を証券会社から借りることができます。(①)
続いて、借りた株を売却します。(②)
売ったことで、100円の利益を得ることができます。(③)
この時、手元には100円の現金はありますが、借りた株は保有していません。
ですが、借りた株は必ず返さなければいけません。
そこで、実際に株を購入して、その株を返却します。
これについては、次で解説していくよ!
信用売りを行った後、株を買って返却する
続いて、株を購入して返却するまでの工程を解説します。
信用売りを行ったあとに、株価が100円から90円に下がったとします。
先ほどゲットした100円で、90円の株を買います。(④)
購入した株を、証券会社へ返却します。(⑤)
そうすると、手元に10円だけ残ります。これが利益になります。
安くなった株を返却したから、利益がでるんだね!
クロス取引の場合は、借りた株を売る作業と株を買う作業を同時に行います。
そのため、信用売りと現物買いの価格が同じになります。
結果、権利落ち日後の株価下落のリスクを減らせるのです。
クロス取引の注意点5選
最後に、クロス取引の注意点をまとめました。
①配当金はもらえない
権利付け最終日までに株を保有しているので、株主優待+配当金を受け取り権利が得られます。
しかし、信用売りを行うと『配当金調整額』を支払う必要があります。
これが理由でクロス取引を行うと、配当金はもらえません。
②制度信用で取引をすると逆日歩コストがかかり、手数料がめちゃくちゃ上がる
一般的に、クロス取引を行うときは、信用売りの一般信用で注文します。
しかし、一般信用よりもさらに手数料の安い制度信用という注文方法があります。
この方法は、手数料が一般信用よりも安い代わりに逆日歩(ぎゃくひぶ)という追加手数料がかかる場合があります。
証券会社が貸せる株が無くなったとき、機関投資家(生命保険会社など)から株を調達して、株の在庫数を増やします。このときにかかる手数料を信用取引をした投資家から追加で請求できます。この手数料を逆日歩といいます。
これにより、数千円から数万円の手数料を払ってしまうことがあります。
この逆日歩が原因で、ポテトチップスに5万8240円も支払うといった悲劇も過去にありました。
※コイケヤ高級ポテチの簡単な解説
・湖池屋の株主優待である2500円相当のお菓子詰め合わせをゲットするために、権利取り最終日に湖池屋の現物株100株を5120円で持ち越し
出典:https://kabumatome.doorblog.jp/archives/65927174.html
↓
・湖池屋株の持ち越しと同時に、湖池屋株を5120円で100株空売り
↓
・空売りを現物株で返済(5120円-5120円)するので、優待権利取り落ち後の株価変動リスクなしに実質0円で優待をゲット!(※株式用語でいう「両建て」「クロス取引」)
↓
・しかし、みんな過去に学ぶことをしなさすぎて大量の空売りが入る事態に
↓
・とんでもない株不足の状態に陥り、空売り調達コスト「逆日歩(7日で582.4円)」が発生
↓
・100株両建ての人は、実質0円で優待をゲットするはずが「582.4円×100株=5万8240円」を支払って優待をもらうことに
↓
・クロス乞食の湖池屋お菓子詰め合わせ(2500円相当)が5万8240円の高級ポテチに
ホント、逆日歩は怖いですね….。
初心者の方は、必ず一般信用を選ぼう!
③現渡しを忘れる
クロス取引を行ったら必ず、現渡しを行わなければいけません。
現渡しは、借りた株を返す作業です。
この作業を行わないと、貸株料という手数料がずっとかかることになります。
貸株料自体は小さいけど、塵も積もれば山となるだから、気をつけよう!
④市場が開いている時間に行う
クロス取引は、必ず市場が閉まっている時間帯(お昼11時半〜12時半、15時〜翌日8時59分)に行いましょう。
なぜなら、クロス取引は信用売りの利益と株価の損失を相殺する作業です。
しかし、市場が開いている時に行うと、同じ価格で取引が出来ないので、損失が出てしまう可能性もあります。
損失を防ぐためにも、市場が閉まっている時間帯に注文を行いましょう。
また、市場が開いている時に、多くの方がクロス取引を行うと、株価の値動きが激しくなります。
そうなると、法律違反などにも関わってくるので、やらないようにしましょう。
⑤現渡しを権利付き最終日前に行ってしまう
現渡しのタイミングを間違えると、優待がもらえずに手数料だけ支払うはめになってしまいます。
現渡しは、基本、注文してから2~3日後に成立します。
株主優待は、権利確定日に株を保有している必要があります。
つまり、現渡しは、権利付け最終日後に行わなければいけません。
ここは間違えやすいから気を付けてね!
まとめ
今回は、クロス取引の基本について解説しました。
クロス取引は、以下の3STEPで行います。
証券口座から株を借りて、売る作業です。借りているので、借りている日数×手数料がかかります。
通常の株を購入する作業です。これは、後日返却するための株を購入です。
借りた株を返す作業です。この操作を行わないと、ずっと手数料が取られてしまいます。
この大まかな流れをつかんだら、実際にクロス取引をしてみましょう。
筆者は、auカブコム証券と松井証券でクロス取引を行っています。
auカブコムのクロス取引はこちらの記事を参考にしてください。
また、松井証券については、こちらの投稿を参考にしてください。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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